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2006年6月 9日 (金)

新施行規則の解説その1 累進処遇の廃止と個別的処遇

 受刑者処遇法(刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律)が5月24日から施行された。その前日の官報で受刑者処遇法施行規則(法務省令)などの関係細則が公表され、受刑者処遇法の運用の全貌が少しずつ明らかになってきた。
 実際には、新法の施行と同時に100を超える訓令・通達が発出されているが、訓令・通達はホームページなどで簡単に入手できる形では公表されていない。これは従来からもそうで、非公開ではないが数が多いなどの理由によると思われる。『矯正実務六法』(東京法令出版)などの刊行を待つのが無難である。

 そこでとりあえず、新施行規則の概要をまとめてみた。第1回は累進処遇の廃止と個別的処遇の導入である。旧監獄法下では受刑者の大多数を占める懲役受刑者には、行刑累進処遇令が適用され、この累進処遇制度が刑務所生活の基本を規律してきた。受刑者処遇法では、84条2項で「矯正処遇は、処遇要領(矯正処遇の目標並びにその基本的な内容及び方法を受刑者ごとに定める矯正処遇の実施の要領をいう。・・・)に基づいて行うものとする。」とされている。これが、いわゆる個別的処遇を規定した条項であり、これは従来の累進処遇制度とは相容れない。そこで、新施行規則で累進処遇に代わってどのような制度が打ち出されるのか注目されていた。

 新施行規則で採用された制度は、4種の制限区分と5類の優遇区分を組み合わせた制度である。制限区分は要警備度を基準にした長期的な分類であり、優遇区分は半年ごとに評価される受刑態度による分類である。これは一見すると欧米にも見られる要警備度に基づく行動制限と個別的処遇を組み合わせた制度への転換ようにも見えるが、累進処遇と実質上変わらない運用も可能である。また、特に優遇区分(優遇措置)については、運用次第では担当看守の恣意による受刑者支配を招く危険もある。今後の運用を注視する必要がある。

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2006年6月 2日 (金)

受刑者処遇法による外部交通(信書発受)の運用

 5月24日に受刑者処遇法が施行され、親族以外との面会・文通が拡大された。これが法文どおり実施されるかが注目されていたが、本日までに福島刑務所、岐阜刑務所、岡山刑務所、徳島刑務所の受刑者から親族以外、しかも団体宛てに手紙が届いた。このほか、山形刑務所の受刑者から親族以外の個人宛てに手紙が届いたことが確認できている。
 受刑者処遇法93条は受刑者の信書の発受を原則自由とし、95条で「犯罪性のある者その他受刑者が信書を発受することのより、刑事施設の規律及び秩序を害し、又は受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがある者(受刑者の親族を除く)」は例外的に禁止できるとされている。95条を拡大解釈することによって、受刑者と親族以外の文通が旧法時代とさして変わらないまでに極限される懸念もあった。
 しかし、受刑者処遇法は法文どおりに信書の発受を原則自由とする方向で運用されつつあることが、明らかになってきた。この傾向が全国の刑務所で定着し、受刑者の幅広い外部交通権が確立することを期待する。
 このような新法の運用については、今年3月23日に熊本刑務所国賠訴訟で最高裁第1小法廷が行った原告一部勝訴の画期的な判決の影響も無視できない。

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2006年6月 1日 (木)

未決拘禁法案 参議院法務委員会で可決、明日の本会議で成立の見通し

 本日午前の参議院法務委員会で未決拘禁法案(「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正する法律」案)が与党の賛成多数で可決された。この法案は明日の参議院本会議で可決成立する見通し。この法案では100年前から廃止が課題になっていた代用監獄制度が存続させられており、この点の修正なしに政府案がそのまま可決されたことは、極めて遺憾である。
 本日の参議院法務委員会では、各党1名ずつが最後の質問を行った後、民主党の修正案が提案された。採決では、まず民主党の修正案が採決され民主党・共産党(おそらく国民新党も)が賛成したが(社民党は法務委員がいない)、賛成少数で否決された。その後、内閣提出の原案が自民党・公明党の賛成多数で可決された。原案可決の後、法務委員会の全会派共同提案による附帯決議が全会一致で可決された。

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