刑務官の職務執行に関する訓令の運用について(依命通達)

平成18.5.23
矯成3259矯正局長依命通達

標記について,下記のとおり定め,刑務官の職務執行に関する訓令(平成18年法務省矯成訓第3258号大臣訓令。以下「訓令」という。)の施行の日から実施することとしたので,遺漏のないよう配意願います。
  なお,昭和30年3月18日付け法務省矯正甲第284号当職通牒「収容者に押なつせしめる指印について」,平成3年4月1日付け法務省矯保第690号当職依命通達「行刑施設の規律の維特等に関する刑務官職務規程の運用について」,平成3年4月12日付け矯保第816号当局保安課長通知「行刑施設の規律の維特等に関する刑務官職務規程第34条第2項に定める実施細則について」,平成10年2月18日付け法務省矯保第393号当局保安課長通知「戒具の適正な使用について」,平成10年5月6日付け法務省矯保第1184号当局保安課長通知「護送時における戒具の取扱いについて」,平成15年9月1日付け法務省矯保第3338号当職通達「戒具の使用及び保護房への収容について」及び平成15年9月1日付け法務省矯保第3339号当局保安課長依命通知「戒具の使用及び保護房への収容について」は,廃止します。

 記

1 装備品の貸与(訓令第12条関係)
(1)貸与された装備品の着装方法
  貸与された装備品の着装方法については,訓令第39条に規定するほか,次のとおりとすること。ただし,私服を着用して勤務するときその他やむを得ない事由があるときは,別の方法により着装しても差し支えないこと。
ア 刑務官手帳は,名刺及び現金を入れ,上衣左胸ポケットに収めること。
イ 第二種の捕縄は,正しく結束してズボン右後ポケットに収めること。
ウ 呼子笛は,黒のひもをつけ,ひも尻は上衣右胸ポケットに固定すること。
(2)刑務官手帳の制式
  刑務官手帳の制式については,平成18年5月23日付け法務省矯成第3260号当職依命通達「刑務官手帳の制式等について」に定めるところによること。
2 警備用具等の管理(訓令第13条関係)
(1)催涙ガス筒の発射機の管理
  訓令第13条に規定するもののほか,平成18年5月23日付け法務省矯成第3261号当職依命通達「催涙ガス筒発射機の管理及ぴ使用方法について」に定めるところによること。
(2)催涙弾又は着色弾の発射機の管理
  訓令第13条に規定するもののほか,平成18年5月23日付け法務省矯成第3262号当職依命通達「催涙弾・着色弾発射機の管理及び使用方法について」に定めるところによること。
(3)催涙スプレーの管理
  訓令第13条に規定するもののほか,平成18年5月23日付け法務省矯成第3263号当職依命通達「催涙スプレーの管理及び使用方法について」に定めるところによること。
(4)小型武器の管理
  訓令第13条に規定するもののほか,平成18年5月23日付け法務省矯成第3264号当職依命通達「小型武器の管理及び使用方法について」に定めるところによること。
3 保安原則(訓令第14条関係)
(1)かぎの管理
  刑事施設の居室の出入口に設置している錠を開閉する際に使用するかぎの管理については,平成18年5月23日付け法務省矯成第3265号当職通達「居室本錠かぎの管理について」に定めるところによること。
(2)被収容者の動静の巡回視察
  夜間就寝後における被収容者の動静の巡回視察については,平成13年8月29日付け法務省矯保第2776号当職通達「夜間就寝後における被収容者の動静の巡回視察について」に定めるところによること。
4 記録(訓令第15条関係)
(1)捕縄,手錠又は拘束衣の使用等の記録
  訓令第15条第1項の規定により視察表に記録する事項は,次のとおりとすること。
ア 使用開始及び使用中止の日時
イ 使用方法の変更の日時(使用方法を変更した場合に限る。)
ウ 使用場所
エ 捕縄,手錠又は拘束衣の種類及び使用方法
オ 指揮者
カ 実施者
キ 使用要件に該当する事実及び使用要件が消滅した事実
ク 被使用者の動静
ケ 被使用者の負傷の有無及び程度
コ 使用状況
サ 医師の意見(医師の意見を聴取した場合に限る。)
(2)保護室への収容等の記録
  訓令第15条第2項の規定により視察表に記録する事項は,次のとおりとすること。
ア 収容開始及び収容中止の日時
イ 収容期間の更新の日時(収容期間を更新した場合に限る。)
ウ 収容した保護室
エ 指揮者
オ 実施者
カ 収容又は収容期間更新の要件に該当する事実及び収容要件が消滅した事実
キ 収容された者の動静
ク 収容された者の負傷の有無及び程度
ケ 捕縄,手錠又は拘束衣の使用の有無
コ 医師の意見(医師の意見を聴取した場合に限る。)
(3)録画
  訓令第15条第3項から第5項までに規定する録画及び同条第6項に規定する記録については,平成16年3月31日付け法務省矯保第1199号当職通達「被収容者の動静等の記録について」に定めるところによること。
5 報告等(訓令第16条関係)
  訓令第16条第3項に規定する刑務官の報告の要領については,平成18年5月23日付け法務省矯成第3266号当職依命通達「刑務官の報告要領について」に定めるところによること。
6 女子の被収容者の立会い等(訓令第18条関係)
  訓令第18条第2項に規定する留意事項については,平成18年5月23日付け法務省矯成第3267号当職依命通達「男子の刑務官等が女子の被収容者の処遇を行う場合の留意事項について」に定めるところによること。
7 勤務要領(訓令第19条関係)
(1)監督当直勤務及び副監督当直勤務
  矯正施設における監督当直勤務及び副監督当直勤務に関する訓令(昭和61年法省矯総訓第1841号大臣訓令),昭和61年8月20日付け法務省人服第1944号大臣官房人事課長依命通達「矯正施設における監督当直勤務及び副監督当直勤務について」及び昭和61年10月15日付け法務省矯総第1842号当職依命通達「矯正施設における監督当直勤務及び副監督当直勤務について」の定めるところによること。
(2)保安事務当直勤務
  昭和61年9月5日付け法務省人服第2006号大臣官房人事課長依命通達「矯正施設における保安事務当直勤務について」の定めるところによること。
(3)構外作業勤務
  平成18年5月23日付け法務省矯成第3331号当職通達「刑事施設外における作業の実施について」の定めるところによること。
(4)不正物品の搬出入等の防止に関する勤務
  平成18年5月23日付け法務省矯成第3336号当職通達「刑事施設における不正物品の搬出入等の防止について」の定めるところによること。
(5)護送勤務
  平成18年5月23日付け法務省矯成第3270号当職通達「矯正施設の被収容者等の護送について」の定めるところによること。
8 所持品の検査(訓令第21条関係)
(1)損壊を伴う検査の対象となる所持品
  所持品の損壊を伴う検査(以下「解体検査」という。)によりその所持品の機能を滅失させるおそれがある場合には,解体検査は行わないこと。
(2)損壊を伴う検査の要件
  解体検査は,触手,金属探知器などの方法によっては十分な検査が行えず,かつ被収容者の動静,差入れの状況などから検査の必要性が高いと認められる場合に限ること。
9 制止等の措置の留意事項(訓令第23条関係)
(1)比例原則
  刑務官が刑事施設の規律及び秩序を維持するため実力行使を行うに当たっては,いわゆる比例原則に配慮することは当然であるが,訓令第23条第1項は,その旨を注意的に規定したものであること。
(2)受刑者以外の被収容者に対する制止等の措置
  被収容者に対する制止等の措置は,刑事施設の規律及び秩序を維持するため当然認められるものであるが,未決法においては,既決法第54条に相当する規定がないことから,確認的な意味で訓令第23条第2項及び第3項を規定していること。
(3)被収容者に対する質問等
  被収容者に対する質問,注意,指導等は,刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要な範囲内で当然認められるものであるが,その場で質問等を行うことが不適当と判断する場合には,取調べ室等に連行した上で,質問等を行うこと。
(4)被収容者以外の者に対する質問等
  被収容者以外の者に対する質問,注意,指導等は,刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要な範囲で当然認められるものであるが,特に刑務官が外門を警備する場合においては,以下のとおり対応すること。
ア 外門を通行しようとする者について,その人物,用件等を確認する必要があると認めるときは,その者に対し,必要な事項を質問し,人物,用件等を疎明する書面の提示を求めるなどの対応をすること。
イ 外門を通行しようとする者について,その携帯品を検査する必要があると認めるときは,その者をその場に停止させ,又は適当な場所への同行を求めた上で,携帯品の内容を質問し,又はその開示を求めること。
ウ 外門を通行しようとする車両について,その車両又は搭載物等を検査する必要があると認めるときは,その車両を停止させた上で,その車両の外形を検査し,又はその車両の内部又は搭載物等の内容の開示を求めること。
エ 外門を通行しようとする者又は車両が,上記アからウまでに定める措置に応じないときは,その通行を差し止めること。
オ 上記エの場合のほか,次に掲げる者が外門を通行しようとするときは,その通行を差し止めること。
(ア)通行するための正当な理由がない者
(イ)酒気を帯び,又は異様な服装をしている者
(ウ)乱暴若しくは著しく粗野な言動又は不審な挙動をする者
(エ)その他刑事施設の規律及び秩序を害する行為を行い,又は行おうとする者
カ 外門において,威力を示して面会を強要し,集団で入門を要求するなど不穏な事態が発生し,又は発生するおそれがある場合には,直ちに外門を閉鎖し,その旨を上司に報告すること。
10 警備用具の携帯及び使用(訓令第24条関係)
(1)催涙ガス筒の発射機の使用方法
  催涙ガス筒の発射機の使用方法については,訓令第24条に規定するもののほか,平成18年5月23日付け法務省矯成第3261号当職依命通達「催涙ガス筒発射機の管理及び使用方法について」に定めるところによること。
(2)催涙弾又は着色弾の発射機の使用方法
  催涙弾又は着色弾の発射機の使用方法については,訓令第24条に規定するもののほか,平成18年5月23日付け法務省矯成第3262号当職依命通達「催涙弾・着色弾発射機の管理及び使用方法について」に定めるところによること。
(3)催涙スプレーの使用方法
  催涙スプレーの使用方法については,訓令第24条に規定するもののほか,平成18年5月23日付け法務省矯成第3263号当職依命通達「催涙スプレーの管理及び使用方法について」に定めるところによること。
11 捕縄及び手錠の使用上の留意事項(訓令第27条蘭係)
(1)刑事法廷における捕縄及び手錠の使用
  刑事法廷における捕縄及び手錠の使用については,訓令第27条,第31条及び第33条に規定するもののほか,平成5年7月19日付け法務省矯保第1704号矯正局長通知「刑事法廷における戒具の使用について」に定めるところによること。
(2)検察官調室における捕縄及び手錠の使用
  検察官調室における捕縄及び手錠の使用について,訓令第27条,第31条及び第33条に規定するもののほか,昭和31年6月ll日付け法務省刑事第13154号刑事局長事務代理,矯正局長通牒「検察官調室における手錠の使用について」に定めるところによること。
12 けん銃の操法(訓令第45条関係)
  けん銃の操法については,平成18年5月23日付け法務省矯成第3264号当職依命通達「小型武器の管理及び使用方法について」に定めるところによること。
13 その他
(1)指印
ア 刑務官は,被収容者との物品の授受,被収容者に対する書類の交付及び告知,被収容者が願せんを提出する場合その他被収容者から指印を徴する必要があるときは,その者に対し,指印を押なつするよう求めること。この場合において,被収容者がその求めに応じないときは,複数の職員にその事実を確認させ,その旨を記録するなどの措置を講ずること。
イ 指印は,左手人差し指を使用して押なつさせること。ただし,左手人差し指の欠損その他の事由により押なつさせることができないときは,他の指の指印を押なつさせて差し支えないこと。
(2)法廷釈放者の同行
  刑務官は,刑事訴訟法第345条の規定により勾留状が失効し,法廷において釈放された者に対し,領置している金品の交付等のため必要がある場合において,その者の同意が得られたときは,刑事施設まで同行させること。この場合においては,他の被収容者と接触させないように留意すること。