受刑者処遇法施行規則の主な内容

●刑事施設視察委員会の手続(4条)
・定足数は過半数
・その他の議事手続は視察委員会自身が決める。

●視察委員会の年度報告事項(6条)

●入所時検査に指静脈のデジタル画像採取が新設された(10条)。

●差入れ申出書に差入れ者の生年月日、電話番号も記載させ、証明書の提示を求められるようになった(14条)。

●保管私物の保管方法(15条)
・「刑事施設の長が指定する居室内又は居室外の棚、容器その他の保管設備に保管させる」
・居室外に保管させる場合は、平日に1日1回以上私物を出し入れする機会を与える。

●保管私物の保管限度量と領置限度量の制限から除外されるもの(16条)
・「受刑者が当事者である係属中の裁判所の事件に関する記録その他の書類又はその写し」(民事訴訟を含む趣旨と思われる)
・「眼鏡その他の補正器具」

●運動時間は「1日30分以上、かつ、できる限り長時間」(20条)

●定期健康診断に血圧、尿淡白、赤血球数、コレステロール、血糖値、心電図などが加わった(23条)

●外国語書籍等の翻訳料
・「国語を読解する能力を有しない者」「点字によらなければ書籍等を閲覧できない者」は特別の事情がない限り負担させない。
・その他の者は「閲覧の目的及び受刑者の負担能力に照らしてその者に負担させることが相当と認められるときに限り」負担させることができる。

●購入できる新聞紙の制限(27条)
・普通紙につき「刑事施設の長が指定する二紙以上の新聞紙のうち、受刑者が選択する一紙以上の新聞紙に制限することにより行うことができる」
・普通紙以外の日刊紙(スポーツ新聞)についても同じ。
・「一月以上の継続的な購入に制限」できる。
(以上は購入の場合、法49条により普通紙の掲示は従来どおり行うことが前提)

●処遇要領は「開始時指導」終了までに定める(35条)。

●「開始時指導」の期間は2週間(36条)

●「受刑者の生活及び行動に対する制限」に関する1~4種の「制限区分」を設ける(40条)。
・開始時指導の終了時に決定し、改善更生の見込みの評価によって変更する。

●制限区分による処遇の違いは、居室の開放度と行動の自由度(41条)
・第1種は「収容を確保するため通常必要とされる設備又は措置の全部又は一部を設けず、又は講じない室を指定する」
・第2種と第3種は、適当と認めるときに限り、第1種と同様の居室を指定できる。
・第1種と第2種の処遇場所は主として居室棟外で行い、施設外で行うこともできる。
・第3種の処遇場所は主として居室棟外。
・第4種の処遇場所は、特に必要がある場合以外は居室棟内。

●開放的施設での処遇は第1種のみ(42条)

●6か月以上刑の執行を受けた受刑者について反則行為の有無を基準に1~5類の「優遇区分」を設ける(45条)
・1年を4~9月と10月~3月に分けて「評価期間」とし、この期間の反則行為の有無を基準に次期の優遇区分を決める。
・6か月刑の執行を受けて評価期間の途中から最初の優遇区分を決める際には、それまでに懲罰を科されたことがある者は第5類からスタートし、それ以外の者は第3類からスタートするが懲罰を受けると第5類に変更になる。

●優遇区分による違いは、室内装飾品、嗜好品、自弁物品、発信回数(46条)
・第1類は、室内装飾品の貸与、月1回以上の嗜好品の支給、寝具・衣類・室内装飾品・サンダル・娯楽品の自弁許可、月1回以上の飲食物の自弁許可、月2回以上の嗜好品の自弁許可、面会時間が他の2倍、面会回数が月7回以上、発信回数が月10通以上。
・第2類は、室内装飾品・サンダルの自弁許可、月2回以上の嗜好品の自弁許可、面会回数が月5回以上、発信回数が月7通以上。
・第3類は、室内装飾品・サンダルの自弁許可、月1回以上の嗜好品の自弁許可、面会回数が月3回以上、発信回数が月5回以上。
・第4類は、発信回数が月5回以上。
(優遇措置のない第5類も、法92条により面会回数は月2回以上、法97条により発信回数は月4回以上が保障される。)

●外部通勤作業の条件(51条)
・次のいずれかに該当すること。開放的施設で処遇を受けているか、制限区分が第2種以上か、仮釈放が決まっていること。

●死亡手当金、障害手当金(56条)
・障害手当金は、「支給基礎日額」4080円に障害の等級に応じて別表に定められた倍数を乗じて得た金額
・死亡手当金は、「支給基礎日額」4080円×1060=432万4800円

●薬物依存者と暴力団員以外で矯正処遇としての改善指導を受けるべき者(58条)
・身体生命を侵害する罪で受刑中の者で、被害関係者に対する謝罪の意識が低い者
・性犯罪の原因となる「認知の偏り又は自己統制力の不足」がある者
・交通事犯の受刑者で交通安全に関する意識が低い者
・「職場における人間関係に適応するのに必要な心構え及び行動様式が身についていない」者

●外出・外泊の条件(59条)
・次の3つのいずれかに該当すること。開放的施設で処遇を受けているか、制限区分が第1種か、仮釈放の許可が決定していること。

●面会の相手方に関する受刑者の届出、届出事項の証明書類(60条)
・刑務所長は受刑者に対して、面会のすることが予想される者について、次の事項を届け出るように求めることができる。
「一 氏名、生年月日、住所及び職業
二 自己との関係
三 予想される面会の目的
四 その他刑事施設の長が必要と認める事項」
・刑務所長は以上の事項を証明する書類の提出・提示を受刑者に求めることができる。
(常識的に考えて、相手の生年月日を知らなかったり、証明書類を提示できない場合も多いと思うので、以上が全て満たされないと面会を認めないということではなさそう。)

●面会者の申出書、証明書類(61条)
・刑務所長は面会者に対して次の事項を記載した申出書を提出を求めることができる。
「一 氏名、生年月日、住所及び職業
二 面会を希望する受刑者の氏名及びその者との関係
三 面会の目的
・刑務所長は以上の事項を証明する書類の提出・提示を求めることができる。
(面会者が以上を満たすのは困難とはいえないので、これを満たさないと面会させない可能性がある。)

●面会の相手方の人数(62条)
・3人未満に制限してはならない。

●休日を含む面会日(64条)
・1と月の「面会日」はその月の日数から休日を差し引いた日数を下回ってはならない(休日面会を予定した規定)。
・各月の「面会日」は1月前までに受刑者に告知し、刑事施設に掲示して公告する。

●面会時間(66条)
・原則は30分以上。
・面会者の人数、面会室の数から止むを得ない場合は、5分~30分の範囲内で制限することができる。

●文通の相手に関する受刑者の届出、証明書類(68条)
・刑務所長は受刑者に対して、信書を発受することが予想される者について、次の事項を届け出ることを求めることができる。
「一 氏名、生年月日、住所及び職業
二 自己との関係
三 予想される信書の発受の目的
四 その他刑事施設の長が必要と認める事項
・刑務所長は以上の事項を証明する書類の提出・提示を受刑者に求めることができる。
(常識的に考えて、相手の生年月日を知らなかったり、証明書類を提示できない場合も多いし、予想外の人から手紙が来ることもあるので、以上を満たさなければ全く認めないということではなさそう。)

●信書作成要領の制限(69条)
・1通の枚数制限は5枚を下回ってはならない。
・1枚の字数制限は400字を下回ってはならない。

●電話による通信の条件(72条)
・次のいずれかに該当すること。開放的施設での処遇を受けているか、制限区分が第2種以上か、釈放前指導を受けていること。

●外国語等による面会・信書の通訳料・翻訳料(73条)
・相手が領事任務を遂行する者、親族・重要用務処理者・改善更生に資する者の場合は、負担させない。
・その他の場合は、「面会又は信書の発受の目的及び受刑者の負担能力に照らしてその者に負担させることが相当と認められる特別の事情があるときに限り」負担を求めることができる。

●閉居罰の執行方法(75条)
・刑務所長が支障ないと認めるときは単独室以外で執行できる(具体的にどのような形を想定しているのか不明)。

●閉居罰中の運動は週1日以上(76条)

●この規則は法律施行の日(5月24日)から施行する(附則1条)

●すでに収容されている受刑者の処遇要領は規則施行後速やかに定める(附則3条)

●すでに収容されている受刑者の優遇区分の経過措置(附則5条、6条)
2006年6月1日から2007年4月1日以降に最初に優遇区分を指定するまでの間
・累進処遇1級は第2類
・同2級は第3類
・同3級は第4類
・同4級は第5類
・累進処遇適用外は受刑態度等によって決定する。
・2007年4月1日以降に最初に優遇区分を指定するまでの間は、2006年6月~2007年9月を評価期間とみなして通常の優遇区分に関する規定を適用する。